ティロ脳

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劇団イヌカレーがスゴすぎる!

 予約注文していた『叛逆の物語』のPN(プロダクションノート)が、先月28日の夕方に届きました。ホンマにAmazon、特典何も付けないのね・・・


 で、本の写真がこちら。左から、「劇団イヌカレー イメージノート2」、「プロダクションノート」、2冊を束ねるスリーブ。デザインが分かるように光を当てているので色が変ですが、本当はつや消の黒い紙に光沢素材で絵が印刷されている感じのまっ黒け。オシャレなデザインです。(オシャレに見えないとすれば、ひとえに私の撮影技術不足のせいです。ゴメンナサイ)
 あと下のピンクの栞は、イヌカレー本付属のルーペ。最初「?」と思いましたが、中身を見てみると、「これ、必要やわ~」。イヌカレー氏作の美術や設定画の他に、絵コンテの縮小コピーがいっぱい。すさまじい情報量でした。
 お蔭様で、空き時間にひたすら読み続け、昨夜やっと読了です。



 まだこの時期なので、と言うか、頭が整理し切れていないのですが、とにかくイヌカレー本がすごかったので、ネタバレ少な目に感想を書いてみます。


★ とにかく仕事量が半端ない


 最初ざっと目を通してみて、彼らが全く関わらなかったシーンがほとんど無いことに、まず驚かされました。今まで広く知られていた、魔女や使い魔、背景などの製作はもとより、登場人物の動きやカット割り、乗り物や武器などのデザイン、エフェクト処理の指示、ベベ語などの台詞の考案など、何役もこなしていたことが分かります。
 『叛逆の物語』はイヌカレー氏演出の映画、と言っても過言ではないかも。


★ 舞台や登場人物の設定が深すぎる


 確かに、そういう仕事をする人たちであることは知っていましたが、これだけ膨大な設定の塊を見せられると、もう圧倒されると言うか。
 ゴンドラとか飛行船などの設定も初見で興味深かったですが、特に偽街の子供達の説明には、12ページも費やしていて圧巻です。個性がはっきりしてくると、それぞれに愛着が湧いてきますね。ちゅうか、超カワイイ。そして、彼女たちがなぜ現れてきたのか、どこに向かおうとしているのか、何となく見えてきた気がします。 
 あと、映らないことが分かっていながら、喪服ほむがいた戸棚の裏側まで考えていたとは、正気の沙汰ではありません(褒めてます)。それも、強烈に怖いデザインで。


★ 違和感を出すための演出がすごい


 映像を見ていて「何かおかしい。作画ミスか? あるいは手抜きか?」と思った箇所は、わざとだったんですね。「夢の中だから」とかいう理由で、訳の分からないモノをバシバシぶっ込んでくる。また、「カット毎に大きさが違う」など、視聴者が気付きにくい所にまで、あえて筋が通らないようなずれを作る。こうして徹底的に視覚的違和感を出す、氏の演出手法には脱帽です。
 これはある意味、レンガ建築のように理論を積み上げて視聴者を納得させる、虚淵氏の脚本とは逆のベクトルを持った世界だと言えるでしょう。全く逆のベクトルが一つの作品中に同居しているのですから、そりゃあ『叛逆の物語』は、とんでもないわけです。


★ で、全体を読み終わって


 『叛逆の物語』は暁美ほむらの物語です。このキャラクターを作り上げるために、イヌカレー氏はどれほど多くのエネルギーを費やしたのでしょう。基本的にはさやか派の私ですが、「オレも、ほむほむを一生大切にしていこう!」という変な気を起こさせてしまうほどに、氏が彼女に傾けた愛情をこの本から感じました。
 不気味な画満載だけど、温かい読後感が残る。そんなオススメの一冊です。



 最後に、少しだけ本のネタバレを。



 やっぱり、イヌカレー画のシャルベベが一番カワイイです。
 あと、次の一文。


 積載のプレゼントを携えて、呼ばれなくてもやって来る 
 みんな大好きティロフィナーレ


 wwwwwwwwwwww 何かツボった。





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