ティロ脳

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魔法少女の寿命

 魔法少女に寿命はあるのか――このことは結構気になることだと思いますし、映画前編のオーディオコメンタリーでも、声優さんたちがネタにしていました。しかし今に至るまで、公式からは何の見解も示されていなかったように思います。と言う事は、今後の展開において、これが看過できない問題となって、魔法少女たちにのしかかって来るかも知れません。
 そこで勝手ではありますが、魔法少女の寿命についての独自設定を試みてみましたので、よろしければお付き合いください。



 魔法少女に寿命があるとするならば、それはかなり短いのではないでしょうか。戦死しなかったとしても、長くて4~5年といったところかも知れません。なぜなら、それがインキュベーターの目論見に合致しているからです。
 まどか改変前のインキュベーターの目的は、魔法少女が魔女になる際に放出されるエネルギーを回収することにありました。しかしこのシステムは、少なからぬ魔法少女がエネルギー回収(魔女化)の前に戦死してしまい、あまり効率が良いとは言えません。そのうえ、生き残った魔法少女がさらに長生きしてしまっては、ますます回収効率が下がってしまいます。
 さらにやっかいなのは、魔法少女が長生きすると、ソウルジェムの秘密が知られてしまうリスクが高くなることです。秘密を知ってしまった魔法少女は、マミでなくとも自決や心中に至る可能性が高くなるでしょう。彼らにしてみれば、丹精込めて育て上げた家畜が出荷直前に自殺するようなものですから、これほどもったいないことはありません。
 以上のことより、いかに優秀な魔法少女であっても、数年内には自動的に魔女化するシステムが、インキュベーターにとっては不可欠であったと思うのです。


 それでは、このシステムにはどのような理論的裏付けが考えられるでしょうか。以下で、全くの独自設定を述べてみたいと思います。
 まず、魔法少女の肉体は、ソウルジェムから発せられる2種類のエネルギーによって生かされていると考えられます。ひとつはジェムの中に移し変えられたその人自身の魂で、もうひとつはジェムが持つ魔力です。このふたつのエネルギーは、肉体を生かすという意味では同じですが、方向性に微妙なずれがあり、それが魔法少女の寿命を決めるのです。


 それぞれの働きを細かく設定してみます。
 魔力の働きには、運動能力をはじめとする肉体の強化と、肉体が受けたダメージの回復の二つが考えられますが、ここで注目したいのは回復作用です。回復作用には、目立った外傷の治癒はもとより、激しい体の動きを可能にするために、細胞や組織レベルでの細かい修復も必要であると考えられます。これがなければ、数メートルのジャンプを1回しただけで、全身がバラバラになってしまうからです。
 そしてその原理は、魔力によって肉体を原状(「現状」ではない)に回復させる作用、と設定してみます。つまり、魔法少女契約時点での肉体の状態を魔力が記憶しており、どんなささいなダメージも無意識下で原状に回復させる、というものです。


 一方、魂の働きによって、魔法少女の肉体は人間としての生命活動が維持されると考えられます。だから魔法少女も一般人と同様に、美味しく食事を摂り、体温は一定に保たれ、悲しい時には涙が流れ、毎月生理が来るのです。
 そして、ここに重大な問題が生じてきます。と言うのも、生きている肉体は必ず変化するからです。ことに第二次性徴期を迎えた少女の変化は早く、日一日と成長し、体型が変わっていきます。それでも、魔力が強引に原状を保ち続ようとするならば…。
 魔法少女の肉体は、生きているが成長できない。そこにギャップが生まれ、契約から時間が経てば経つほど、成長しようとする肉体を原状に戻すのに費やされる魔力は、膨大なものになっていくでしょう。そしていくら狩りが上手でも、いくら精神が安定していても、契約後4~5年もすればソウルジェムの浄化が間に合わなくなるでしょう。
 インキュベーターが言う「効率がいい」には、この回転率の良さもあったのかも知れません。
 これが、私の考える魔法少女の寿命です。


 そんな設定下での、魔法少女の運命を考えてみました。
 ある日、自分のソウルジェムの濁りが早くなったことに気付く魔法少女。インキュベーターから今ごろになって明かされる、残酷な真実。
 じわじわと迫り来る死の恐怖に、自らジェムを濁らせて死に急ぐ者。魔女狩りをやめて、早めの死を静かに受け入れる者。死を拒否しつつ。死の瞬間まで魔女狩りに明け暮れる者。他の魔法少女のグリーフキューブの略奪に走る者…。


 うわあ、何かえげつない鬼畜設定になってました。すみません…。



追記――この設定(魔法少女の肉体は成長しない)だと、不自然なベテランさんが約一名いらっしゃいますが、そこはまあ、魔法による肉体改造があったということで。





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