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鹿目まどかは本当に神になったのか ~ まどマギから考える時間の多次元構造(2/4)

 「暁美ほむらの時間遡行を、三次元時間で説明してみる」の続きです。
 ここでは、時間の多次元構造から神とは何かとの定義を試み、そこから、まどかは本当に神になったのかについて考えてみたいと思います。



 まず12話の、「全ての魔女を、生まれる前に消し去りたい。全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女を、この手で」とのまどかの願いを検証してみます。キュゥべえは契約を律儀に遂行しますから、この願いは過不足なく成就したものと考えます。
 「全ての宇宙」とは、私たちが住むこの三次元空間の全ての場所と言い換えることができます。全ての場所の魔女化を防ぐには、瞬時に空間を移動する能力、つまり空間を歪めて2点間をショートカット(空間ワープ)する能力が必要であり、それは三次元空間の一次元上、つまり四次元空間を経由することで可能になります。(図⑥左参照)
 また「全ての過去と未来」とは、他の時間軸を含む三次元時間の全ての時間と言い換えることができます。全ての時間の魔女化を防ぐには、瞬時に時間を移動できる能力、つまり時間を歪めて2点間をショートカットする能力(時間ワープ)が必要であり、それは三次元時間の一次元上、つまり四次元時間を経由することで可能になります。(図⑥右参照)


 ちなみに、魔法少女やキュゥべえたちが使う念話も、この時間ワープで説明できるかも知れません。と言うのも、AさんがBさんにCという言葉を伝えたいと思った時間から、途中の経過を全てショートカットして、BさんがAさんのCという言葉を聞いた時間にまで時間ワープした、と考えることが可能だからです。



 さて、先の話より、まどかの願いがこの世界に実現するには、四次元空間プラス四次元時間の八次元時空からの働きかけが必要ということになります。そしてその作業をまどか自身が行うためには、私たちが住んでいる四次元自空の世界(空間三次元プラス時間一次元)から、一挙にこの八次元時空の世界に引き上げらなければなりません。
 この八次元時空の世界から私たちの住む世界を見てみると、全ての空間そして全ての時間の出来事が同時に見え、それらが意味することも瞬時に理解することができるようになります。これはいわゆる「全知」の状態です。そしてそこに何らかの意思と行動が伴えば、いわゆる「全能」の状態となります。それを実現させる方法は「全知」の状態で知っており、かつそれが実現する時間までワープできるからです。
 「全知」「全能」の存在を、私たちは神と呼びます。つまり、多次元構造の世界から見た神の定義は、「八次元時空にある意識体」と言えるのではないでしょうか。


 次に、まど神が実際に神としての能力を得たのかについてを検証してみます。
 まどかはほむらに対して、「だからね、全部わかったよ。いくつもの時間で、ほむらちゃんが、私のためにがんばってくれたこと、何もかも」と言っています。これはまどかが、全ての時間軸のほむらを見て理解したことを表しています。また、「これからの私はね、いつでもどこにでもいるの。だから見えなくても聞こえなくても、私はほむらちゃんの傍にいるよ」との発言は、まどかがほむらの生きるこれからの全ての空間と時間に、遍在していることを表しています。さらには、まどか自身が全ての魔法少女を救済していることで、全能の能力の一端が示されます。
 以上より、対象が限定的ではあるものの、まど神は理論的にも能力的にも、神としての性質を備えていることが分かります。問題なく神認定してもよいでしょう。



 さて、ここからは想像の域になりますが、まどかのような普通の女の子の意識が、いきなり八次元時空の世界に行って神になったとして、果たしてメンタルを保てるのかという懸念があります。
 私たちの意識は、この世界で小さな肉体に閉じ込められ、ごく限られた認知力と干渉力の中で生きています。だからこそ道に迷い、目的達成のためにあくせく行動しているのですが、それがちょっと意識を向けただけで知ってしまい、ちょっと思っただけで実現する八次元の世界は、あまりに環境が違いすぎるし、それにともなう責任は想像を絶するものがあると思うのです。
 当時のまどかの願いは尊いと思いますし、私もそれを支持したい気持ちもあります。しかし本当のところは、まどか自身も神になって初めて気付いたことが多かったでしょう。人類の歴史を見ても、四次元から八次元にいきなりシフトして平気なのは、最初から神の世界を知りその覚悟のあった、イエス・キリストや阿弥陀菩薩レベルの、超人的に崇高な精神を持った人ぐらいではないでしょうか。
 そういった意味で、人間としてのまどかをこの世界に取り戻したほむらの「叛逆」は、本人がそこまで考えていなかったにしろ、正しい判断だったのかも知れません。



世界の改変・契約による奇跡・時間遡行」「少女たちの願いは、なぜエントロピーを凌駕するのか」に続きます。





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